くりいむレモンPART13「亜美III」について

 

Q8-1:「亜美III」で実際に担当した役割を教えてください。

A8-1:
○キャラクターデザイン(亜美以外)
○キャラ作監・原画


Q8-2:なぜ本作品でストーリー、演出を担当しなかったのでしょうか。

A8-2:その頃は数年に渡って、いわば「くりいむ専従班」に組み入れられており、精神的な鬱屈がピークに達していました。誰かが後をバトンタッチしてくれるのであれば、一刻も早く逃げ出したい気持ちでいっぱいでした。
丁度その時、同時期のTVシリーズ作品では素晴らしい演出センスで高名だったM月[イニシャル表記]氏より、亜美シリーズの演出をやりたい旨のご連絡があり、大喜びでその後一切をお任せしました。


Q8-3:「亜美AGAIN」と「亜美III」ではキャラデザインにかなりの違いが見られます。ご自分では意識していたのでしょうか。

A8-3:さほど変えたつもりはないのですが、亜美AGAINでは自分の絵を出し過ぎた感があり、やはりアニメーターの本分に戻って一番最初のA[イニシャル表記]氏によるキャラデザインに忠実に描くべきと思ったからです。
もっともそのA[イニシャル表記]氏のデザイン画というのは、たった一枚のラフスケッチでしたが。


Q8-4:ファンの間では、ストーリーおよび絵コンテを担当したM月[イニシャル表記]氏、多忙のM月氏に代わって演出を担当したN原[イニシャル表記]氏の評価は最悪でした。N原[イニシャル表記]氏は「亜美は淫乱」と公言してはばからない人物でした。作画している最中、違和感(例えば河野の胸毛など)を覚えることはなかったのでしょうか。

A8-4:実は私は亜美IIIの完成品を観ていないので、それらについては何ともお答えしようがありません。
私が「亜美の生みの親」などという表現は明らかに間違いですし、評価がどうであれ私はM月[イニシャル表記]氏に悪感情は持っておりません。ちなみに河野の胸毛は設定時に私が描いたものです。


Q8-5:問題シーンがカットされたと聞きます。どのようなシーンだったのでしょうか。また、それは実際に作画されたのでしょうか。
(注:当時の制作スタッフY[イニシャル表記]氏に聞いた話だが、問題シーンとはこたつでまどろんでいる亜美がオナニーをはじめ、さらに猫に舐めさせるというシーンだったらしい。M月[イニシャル表記]氏の発案で制作が途中まで進んだが、あまりにも亜美のイメージとかけ離れているとして創映新社からストップがかかった。「亜美III」のランニングタイムが他の作品に比べて短いのはそのため)

A8-5:この時の私の仕事は上がってくる原画をレタッチするだけで、内容面には一切タッチしていません。したがって問題シーンの有るや無しやは存じ上げません。


Q8-6:富本さんが考える真の「亜美・完結編」と「亜美III」は相容れぬものとみなしてよいのでしょうか。また、完結編を作る機会があった場合、PART1、2、3どこから枝分かれすると考えればよいのでしょうか。

A8-6:繰り返しになりますが、私は亜美IIIを観ていないので何ともお答えしようがありません。
完結編の分岐についてですが、亜美AGAIN自体が不本意な営業続編ですので、私としては本来カウントしたくない物です。
従ってもし完結編(元々長編の構想など無かった訳で、この表現もちょっとおかしいのですが)を考えるとするなら、当然一作目の続きからになります。