5. くりいむレモンPART5「亜美AGAIN」について

 

Q5-1:「亜美AGAIN」で実際に担当した役割を教えてください。

A5-1:
○キャラクターデザイン(亜美以外)
○キャラ作監・原画
○ストーリー原案、絵コンテ


Q5-2:ストーリーを作るにあたり、どこまで自由裁量を得られたのでしょうか。

A5-2:正直なところ「一作目が売れたので慌てて続編を制作」が見え見えだったので、私自身は気乗りがしませんでした。それでもN[イニシャル表記]氏から「自由にやって良い」と任されたので、何とかして続編のストーリーを作りました。もちろん最終チェックはN[イニシャル表記]氏が目を通しますが、ほぼ手放し状態だったと言えます。


Q5-3:「兄妹の秘密をばらす」と脅す河野に対して、亜美は抵抗できなくなります。義兄妹であれば、このような脅しに効果は薄いと思われます。実兄妹を意識してストーリー作りを進めたのでしょうか。

A5-3:まぁツッコマれると困るのですが(苦笑)あの台詞は河野と言う男のインケンさを描くためのもので、特に深い意味はありませんが・・・実であれ義であれ、年頃の少女であれば、そのような事をばらすと言われたら嫌がるのが普通なのでは。


Q5-4:高名なアニメーター、いのまたむつみさん、高田明美さんが参加していたという噂があります。本当ですか。

A5-4:私の知る限りお二人は参加していない筈です。

いのまたむつみさんは当時の「レダ」関連インタビューにて「くりいむレモンのような作品は嫌い」と発言されており(私自身はいのまた氏のファンだったので少なからぬショック(笑))、高田明美さんは同時期のTVシリーズにかかりきりで、物理的に不可能だったかと思います。
もっとも私は亜美III以降シリーズを降りましたので、その後どのような方が参加されたかは関知しておりません。



Q5-5:「亜美AGAIN」のコンテをみると、亜美と河野の関係が亜美の平手打ちにより終わったのち、亜美は親友二人に外から電話をかけますが、そのシーンをはさむかたちで河野が悪友と酒場で飲んでいます。
 そこで悪友は「ホントかァ〜? まさかお前がねェ・・・はじめてじゃねェか?」と薄笑いを浮かべて河野をからかっています。これは河野が本気で亜美を愛したように受け止められますが、なぜかカットとなりました。カットとなった理由、後に考えていた展開、河野の人物設定等について、教えていただけますか。

A5-5:まず河野というキャラの登場経緯からご説明します。

○大変気は進まないがN[イニシャル表記]氏の命令で続編を作る事になった。
う〜ん・・・でもラストでお兄ちゃんとの関係はお母さんにバレちゃった訳だし・・・まさかそのままヤリ続ける訳にもいくまい。

○そりゃあやっぱお兄ちゃんとは引き離されるのが自然な展開でしょ。(カリカリ・・・)

○しまった!これはエロアニメなのだから濡れ場を入れなきゃならん。あれ?でももうお兄ちゃんはいないぞ。どうしよう。

○別の男を出すしかないではないか。

・・・と言う訳で登場させたのが河野なのです。つまり単に相手役が必要だから出したまでで、私にとって2以降の展開はむりやり話を引き延ばしただけの物に過ぎず、何も壮大な長編の構想を練っていた訳ではありません。

河野とは要するにその程度のキャラですので、後の展開や人物設定等とお尋ねになられてもお答えができません。ファンと言ってくださる方には大変申し訳有りませんが、それが事実と申し上げるより他にありません。

絵コンテでカットした理由については、単純に9秒もの不必要なシーンであり、電話の受話器を取るカットのテンポが間延びするからでしょう(記憶が定かでなくてすみません)。

「はじめてじゃねえか?」のセリフの意味は、つまりお前ほどの男が向こうから振られるのは初めてだろ、くらいの意味だったかと思います。

以上、何だか夢を壊す(?)ような発言ばかりで申し訳ありませんが、私は事実をありのままにお答えしております。どうかご了承ください。