1. くりいむレモン全般について

Q1-1:くりいむレモンというアニメのお仕事を引き受けるきっかけとなった経緯を教えてください。

A1-1:全くの偶然です。当時私はアニメスタジオ・AICの一介の動画マンで、第2スタジオという所におりましたが、そこの使われてない机の引き出しに制作中の「媚・妹・Baby」原画がしまわれていました。

スタジオの仲間と共に「何だこりゃ!?」と驚き呆れ、後日スタジオにやってきたDr.Pochi氏(以下N[イニシャル表記]氏と呼称)にこれは何かと質問したところ、見られたモノはしょうがないなぁと苦笑し、秘密裡に制作中のアダルトアニメである事を明かされました。

私が冗談半分に「こんな劇画調のキャラは全くニーズに反してる、これじゃ出しても売れませんよ」と言ったところ、「じゃあお前がキャラ修正してくれよ」となった訳です。


Q1-2:くりいむレモンのうち、実際にその制作に携わった作品名を教えてください。

A1-2:
くりいむレモンPART1「媚・妹・Baby」
くりいむレモンPART2「エスカレーション 今夜はハードコア」
くりいむレモンPART3「SF超次元伝説ラル」
くりいむレモンPART5「亜美AGAIN」
くりいむレモンPART6「エスカレーション 禁断のソナタ」
くりいむレモンPART11「黒猫館」
くりいむレモンPART13「亜美III」
くりいむレモンPART14「なりすスクランブル」
新世紀くりいむレモン エスカレーション ディ・リーベ


Q1-3:くりいむレモンに限りませんが、富本さんは作画の際、アンダーヘアを描かないですね。なにか理由があるのですか。

A1-3:現在は死語のようですが、80年代中盤当時はいわゆる「ロリコン」ブーム全盛の頃でした。

このアニメは明らかにそうした人たちへ向けて作られる物なので、アンダーヘア描写は嫌われると思い描写しませんでした。なので、対象が熟女ファン向けのキャラ(黒猫館の冴子奥様など)の場合は描写しています(とは言え派手にモザイクがかかるので意味はありませんが)。


Q1-4:Dr.Pochiとは何者でしょうか。また、彼はくりいむレモンの作品づくりにどこまで具体的に関与していたのでしょうか。

A1-4:N[イニシャル表記]氏は当時の私の上司です。私を採用して下さった方で、個人的には恩義を感じています。

A1-1でお答えした通り、初期はこのシリーズの企画からプロデュース、制作、演出と、作画作業以外の全てを一人でこなされていました。
(注:N[イニシャル表記]氏は絵は描かないということである)


Q1-5:「エスカレーション」シリーズのリエのお父さん、「黒猫館」の鮎川当主、コミック作品「香港特捜Lady」の平田警部補など、富本さんの作品にはメガネとロマンスグレーのおじさまがよく登場します。モデルはいるのですか。

A1-5:昭和特撮ファンには馴染み深い名優、平田昭彦氏がモデルです(特に「レインボーマン」出演時の姿)。


Q1-6:くりいむレモンシリーズ成功の鍵として声優陣の熱演も欠かせない要素だと思います。その選出に富本さんは関与されたのでしょうか。

A1-6:選出には関わっておりません。それはプロデューサーと音響監督の仕事ですし、私に口出しを出来る権限は無かったもので・・・
初めて録音スタジオでアフレコの様子を見れたのは「ラル」の時でしたが、皆さん画面を見て「キャッハッハ、何コレすごーい」と大笑いしながら、実に楽しそうに声を入れておられました。声優陣の熱演には今でも感謝しております。


Q1-7:くりいむレモンというタイトルの由来(だれが考えたのか、語源はあるのか等)について、ご存じであれば教えてください。

A1-7:申し訳ありませんが、由来等全く存じ上げません。初期の2本に限って言えば全てN[イニシャル表記]氏の発案であり、私はN[イニシャル表記]氏のお手伝いをしていたに過ぎない、と言えます。