diary(日記)


2011年9月27日(火) ブラック・スワン
 ひさびさにすごい映画を観ました。表題の「ブラック・スワン」です。内容は映画サイトのレビュー等を参考にしてもらうとして、この映画のすごさはバレエのプリマに抜擢された主人公(ナタリー・ポートマン)がその役を果たすため、狂気の域に達しながら踊る、その演技にあります。
 これは女優だけの才能でも、監督だけの才能でもない。製作陣、キャスト、現場スタッフ、すべてが渾身の力をふるったからこそ到達した美と狂気の極限点であり、フィナーレを迎えてやっと観ているこちらも我に返ったほどでした。しかし、やはり主人公を演じたナタリー・ポートマンが抜群にすごい! これほどキレた演技のできる女優とは思っていなかっただけに度肝を抜かれました。
 ここで、今だから明かすネタをひとつ。実はこの映画の題材である「白鳥の湖」をモチーフにして、かつて富本氏とともに悲恋、官能、美を追究した作品をつくろうと動いた時期がありました。もう何年前のことでしょうか。
 いろいろあって企画は実現せず、事ここに至っては再開の望みもありません。死んだ子の歳を数えるようで真に残念至極ですが、「あれが実現していれば」と今でもときおり思うことがあります。だからこそ、映画「ブラック・スワン」を観たときには心底驚きました。「これはまるでわたしが作りたかった内容ではないか」と。
 とはいえ、当時わたしが志向した「白鳥の湖」は「ブラック・スワン」ほど狂気(褒め言葉の意)に彩られてはおらず、もっと耽美で悲恋を強調したものでした。世の中にはこうして実現しない企画が死屍累々と積み重なっている、そんな想いを得ました。


2011年9月1日(木) ダウンロード版販売開始
 夏コミ新刊「亜美 Re-Birth 再誕 第三章 幻影」のダウンロード販売がスタートしました。取扱いはらも兄さんのサークル「焼きレモン」です。本ではなく、データでほしいという方は迷わずダウンロード版を選択願います。なお、内容は夏コミの同人誌と同じです。おまけで下描き等が入っています。